2007年度予算編成で、生活保護の見直しが盛り込まれる方向になってきた。このほど開催された財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)で、生活保護の改革の必要性が社会保障費改革の重要項目として議論された。自宅を担保に生活費を貸し付ける制度の導入や、現行の支給水準の減額、認定基準の厳格化などがテーマ。財務省、厚生労働省ともに改革に前向きで、今後具体化が進みそうだ。
生活保護受給世帯は05年度に100万世帯を突破し、過去最高水準になっている。これに伴い、生活保護を含む社会保障関係費は、少子高齢化の進展で拡大を続けている。
1996年度は14兆3000億円だったが、06年度は20兆円と1・4倍に拡大。このうち生活保護費は06年度に国・地方あわせ2兆6800億円に達している。こうした傾向が今後も続くとみられ、財務省、厚労省ともさまざまな分野で縮減に取り組む方針だ。
具体的な見直し策として「リバースモゲージ」と呼ばれる金融商品の導入が検討されている。自宅を担保にして生活費を借り受け、死亡後に自宅を売却して清算する仕組みで、自宅を保有していながら生活保護を受けている受給者の削減が狙い。1万の生活保護世帯が削減でき、100億円規模の削減効果が上がると試算されている。
また、生活保護世帯には生活保護費のほか、児童手当、医療手当、母子手当といった各種手当てを加算支給している。ただ、その場合、生活保護を受けていない一般の低所得者よりも、消費金額が上回るケースも指摘されており、公平性の観点から支給総額を引き下げるといった議論も出ている。
さらに、疾病などで就職が可能かどうかの判断は現在、主治医の意見のみ。実際には働けたり、条件を付けての勤務が可能であるにもかかわらず、生活保護を受けているケースも指摘されている。このため、資格を持った医師による判断に統一し、基準を一定にする必要があるとの意見も浮上している。
財政審は、これらの改革を建議に盛り込み、07年度予算編成に反映させたい考えだ。