エタノール需要急増でトウモロコシ急騰 食品や畜産産業への打撃懸念

米国でトウモロコシが急騰し、食品業界や畜産業者の経営を圧迫している。トウモロコシを原料にしたガソリン代替燃料のエタノール生産が急拡大しているためだ。需給が緩和する見通しは立っておらず、一段の上昇を予想する声も出ている。

 AP通信などによると、トウモロコシ価格は米シカゴ商品取引所で先週、約10年ぶりの高値水準となる1ブッシェル(約25・4キロ)=3・4475ドルを記録。2ドル台前半で推移していた9月前半に比べ50%近くも上昇した。

 原油価格が高止まりしていることを受け、エタノール燃料の需要が増加。自動車燃料としてガソリンに混ぜて使われるエタノールの原料としてトウモロコシが大量に消費されているためだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、米国政府はエタノール産業が消費するトウモロコシが2006年収穫分で04年比63%増の21億5000万ブッシェルに達すると試算している。これは全米での収穫量の約2割に相当する規模だ。

 再生可能燃料協会の調べでは、稼働中のエタノールプラントは106カ所で、建設中は48カ所、さらに7カ所で拡張工事が進められている。

 トウモロコシは今年、豊作だったが、膨大なエタノール需要の発生で需給バランスが崩れたことに加え、先行きの需給が一段と引き締まるとの観測から思惑的な取引が広がっていることも値上がりに拍車をかけている。

 同紙によると、専門家はエタノール製造で採算分岐点となるトウモロコシ価格は1ブッシェル=4ドルと試算しており、なお上昇余地がある。

 トウモロコシは朝食用のシリアルや甘味料、炭酸水の原料のほか、鳥や豚など家畜の飼料にも利用されており、値上がりは、これらの関連産業に影響を与えている。

 AP通信によると、クレディ・スイスのアナリストは、トウモロコシが1ブッシェル当たり1ドル上昇すると甘味料の生産コストが約24%上がると分析。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アイダホ州で4000頭の牛を飼う畜産農家は、これまで年間飼料代が600万ドル程度だったが、今年は数十万ドル増加する見込みという。大企業と異なりコスト削減余地が乏しい畜産農家にとっては深刻な問題だ。

 今後、値上がりが長期化すれば、米国産トウモロコシを輸入している日本などに影響が及び、関連製品の値上げなどの動きに発展する可能性も否定できない。

 シリアルなどを販売する日本ケロッグは「トウモロコシは米国以外の複数国からも輸入しているが、米国での市場動向を注視している」と話している。

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