政府税制調査会(首相の諮問機関)は15日の会合で、同族会社に対して法人税とは別に課されている内部留保金への特別税の廃止について討議した。出席した議員からは賛否双方の意見が出たため、結論には至らなかった。2007年度税制改正にどのように盛り込まれるかに注目が集まることになった。
議論の中で、「今年4月の制度改正で大幅に緩和されている。適正な内部留保の水準を議論することなく、廃止は意味がない」「制度改正に伴う企業の成長効果がどのように出ているのか不明」といった廃止反対の意見が出た。一方で、「金融機関は中小企業に対し自己資本比率でしか評価しなくなった。自己資本比率引き上げには内部留保の積み増しが必要」として廃止を求める意見もあり、議論は平行線をたどった。
内部留保金課税は、同族会社が株主に配当せず、社内に留保した利益が一定額にまで積み上がった段階で課税する制度。
会社の利益を株主に配当した場合、株主が得た利益に対して所得税がかかる。株主と経営者が一致するような同族会社では、この株主への課税を避けるため、配当を行わず、利益を社内に留保することを優先させるケースもあり、過度な社内留保による課税逃れを防止するために設けられた。
尾身幸次財務相は経済団体との会合で、中小企業の活性化やベンチャー企業育成のために内部留保金課税の廃止を検討する必要があると指摘。このため、税調では当初、議題にはあがっていなかった内部留保金課税問題について急遽(きゅうきょ)、議論を始めた。
15日の会合後に記者会見した本間正明税調会長は「22日に官邸で開催する税調総会で報告。政府からの意見表明などを受け、意見集約を図りたい」と述べ、廃止を答申に盛り込みたい考えを示唆した。しかし、税調での議論が煮詰まっていない現状も認識しており、「少数意見と両論併記する」などの苦肉の策も検討している。
同日の会合では、会社法施行で来年5月から認められる外資企業による三角合併や、現在国会で審議中の信託法が施行された場合の税制対応も協議した。