大塚製薬 美白化粧品を対面でPR 攻めの販売

肌の内側からケア

 大塚製薬(東京都千代田区)が化粧品事業への取り組みを加速している。同社のスキンケア化粧品が「美白」分野で独自の効能効果を持つ医薬部外品として唯一認可された特性を一段と訴求するため、販売手法を今年4月に対面販売にシフトし、今期中に新規に全国の百貨店などに20店を設ける。同時に、来年1月に、今年9月に発売したリップスティックタイプの唇への美容液に続く新商品を投入し、ラインアップを13品目に増やし、販売網、商品力両面の充実により市場浸透を図る。

 この一環として、9月にリニューアルした有楽町西武(東京都千代田区)の2階に、同社の化粧品ブランド「インナーシグナル」のコーナー「Beauty Signal Science」を設け、カウンセラー、栄養士によるスキンケアカウンセリングのほか、健康・栄養情報も提供する。

 大塚製薬は2004年10月、「メラミンの蓄積を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という美白分野で初めてとなる効能効果で医薬部外品の認可を取得、美容液「インナーシグナル リジュブネイトエキス」を05年1月に発売、化粧品市場に参入した。同時に、化粧品事業部門として「リジュブネイト事業部」も立ち上げた。

 しかし、参入当初は主に東急ハンズ、ロフトといった陳列販売のバラエティーショップで展開したため、「肌の内側からスキンケアを引き出す」商品コンセプトの浸透が行き届かなかった。このため、「店頭に陳列しただけでは消費者に商品の真の良さが伝わらない」(リジュブネイト事業部)と判断、今年4月、カウンセリングを伴う百貨店主体の販売路線に転換した。

 同時に、これまでの薬用の美容液、化粧水、化粧乳液に、新たにUV(紫外線)ケア、メーク落としの4品目を追加、ラインアップの充実を図った。

 この方針転換に沿い、東京・銀座にある直営店「Rejuvenation!」とすでに出店済みの百貨店に加え、今後は全国の百貨店やショッピングモールにコーナーを設け、出店攻勢をかける。また、来年1月24日にシリーズ13品目目に当たる美白マスク「リジュブネイトマスク」(価格8400円)を投入する。

 こうした一連の販売力、商品力の強化策により、大塚製薬は化粧品事業を消費者商品分野の中核事業に育成する方針だ。

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 ≪「メラニンを早く出せばいい」≫

 大塚製薬が美白分野で確立した独自のスキンケアの最大の特徴は、シミの原因とされるメラニンの生成を抑制せず、役割を終えたメラニンを含む古い細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」と呼ばれるメカニズムをスムーズに引き出すことに主眼を置いた点にある

 肌細胞は、肌の奥(基底層)にある母細胞がATPと呼ぶエネルギーで細胞を毎日生み出し、その上にある古い細胞の層を皮膚表面に押し上げ、最後に角片(アカ)となってはがれ落ちる。その期間は約30日で、このサイクルが加齢や生活習慣、紫外線などによって延びると、古い細胞が滞留しシミの原因となる。

 しかし、メラニンは皮膚の細胞(表皮角化細胞)の核にある遺伝子を紫外線からガードする肌にとって不可欠な物質で、メラニンの少ない白色人種は皮膚がんになりやすい。

 このため、大塚製薬はこのメカニズムを一定のサイクルに保つ点に注力して、研究を重ねた。リジュブネイト事業部大津スキンケア研究室の吉野昇室長は、「メラニンはできてもいい。早く皮膚表面から出してやればいい」と、従来の美白剤になかった「肌そのものの生命力を呼び起こす」発想に立った研究開発だった点を強調する。

 そして、それを可能にしたのが細胞のエネルギー代謝を促すアデノシン-リン酸ニナトリウムOT(AMP)の存在で、大塚製薬は独自の薬用有効成分「エナジーシグナルAMP」を高濃度に配合することに成功し、薬事法施行後初めてとなる美白分野での新効能効果の取得につなげた。