メガバンク、船舶に注力 三井住友、邦銀初の「ファイナンス室」
三菱東京UFJ、過去最大の協調融資
世界的な好景気に伴う海上貨物輸送量増加を背景に、金融機関が船舶分野(海運、造船)への融資に力を入れ始めた。三井住友銀行は今月、船舶向けファイナンスの専門部署を邦銀として初めて新設。三菱東京UFJ銀行は、LNG(液化天然ガス)船の建造・操業向けに過去最大規模のシンジケートローン(協調融資)を取りまとめた。損害保険会社も荷動きや新造船の増加に伴い、海上保険を伸ばしている。船舶分野はもともとニッチ(すき間)な分野だった、好景気を追い風に陽が当たり始めた。
三井住友銀が新設したのは「船舶ファイナンス室」で、12人の陣容でスタートした。受け皿組織を新設することで、高度な提案ノウハウやリスク分析を集中し、ファイナンス体制を整備するのが狙い。
同行によると、世界的に輸送量が急増し、海運業界では新造船計画がめじろ押し。日本郵船など国内3大海運会社だけで今後4、5年間に合計3兆6000億円の投資計画があり、船舶建造資金のファイナンスのニーズが急増しているという。
三菱東京UFJ銀は、日本企業が中心になって進めているカタールのLNG船建造プロジェクトで、総額16億3200万ドル(約1800億円)のシンジケートローンを外銀とともに組成した。LNG船は全8隻で、2008年の完成以降、25年間にわたって、主に北米向けにLNGの輸送に使われる。
みずほ銀行も2002年4月の経営統合以降、船舶ファイナンスの件数が右肩上がりで伸びているという。
一方、損保各社の海上保険も好調だ。大手損保6社の06年度上期(4~9月)の営業成績によると、一般事業会社の売上高に相当する収入保険料は、5社が前年同期を上回った。船舶を対象とする船舶保険、輸送する荷物が対象の貨物保険ともに好調に推移している。