米インターネット検索大手グーグル(Nasdaq:GOOG)は5日、中国のソフトウエア会社との提携を発表する見通しだ。これは、同社がネット検索での支配的な地位をほかのオンラインサービスにも広げる試みの一環。
ビデオやゲームのダウンロードサービスを提供する迅雷網絡技術の広報担当者、ジャクソン・チャン氏は、同社がグーグルと戦略提携を組む方針で、5日の記者会見で発表する予定だと明らかにした。グーグルの広報担当者も共同記者会見を行うことについて確認したものの、それ以上のコメントは控えている。
4日付の国営英字紙チャイナ・デーリーは、グーグルが上海に本拠を置くベンチャーキャピタル、聯創策源と組んで迅雷の株を取得すると報じていた。深センを拠点とし、設立から4年が経過する迅雷のウェブサイトによると、同社はビデオのダウンロードサービスでは中国最大手のひとつ。北京を拠点とするネット調査会社アイ・リサーチ・コンサルティング(艾瑞市場諮詢)は、迅雷が5400万人の契約者を抱えるとしている。
これとは別に、グーグル・チャイナは4日、中国最大の携帯電話会社である中国移動(チャイナモバイル)(0941.HK,NYSE:CHL)と提携し、携帯電話向けのネット検索サービスを行うと発表した。試験サービスは12月に始まっており、近く全国的なサービスを開始する。これは、携帯サービスおよび関連する広告サービスを提供しようというグーグルの動きを映したものといえる。
グーグルは、世界中でネットでのプレゼンスを高めることを目指してきた。10月には動画配信サイトを運営するユーチューブを約19億ドル相当の株式交換で買収することで合意。ユーチューブの買収は、急成長を示すオンライン・ビデオ市場でグーグルが一気に主導的な地位に躍り出ることを可能にする。
しかし、グーグルは、支配的な地位を持つ英語の検索サイトから、世界中のほかの言語のサイトに勢力を広げることには苦戦している。英語以外のサイトでは、現地の競争相手が言語上の優位性や国内の強みを生かして事業を展開しているためだ。
米国に次ぐ世界第2位のネット市場である中国では、グーグルはトップの百度(Baidu.com)(Nasdaq:BIDU)と大差のつく2位に甘んじている。アイ・リサーチ・コンサルティングによると、昨年7-9月期の中国におけるネット検索市場シェアは、グーグルが19.2%、百度が63.7%となっている。
アイ・リサーチ・コンサルティングのアナリストは、グーグルと迅雷が組んだ場合、「双方に利益をもたらすウィンウィンの取引」になると指摘する。「ダウンロードサービスと検索機能を組み合わせることで両者は成長を期待することができる」と同アナリストは述べている。