日本経団連は25日、5月に改選期を迎える7人の副会長の後任に、みずほフィナンシャルグループの前田晃伸社長(62)、第一生命保険の森田富治郎会長(66)ら7人を起用する人事を内定した。5月23日の定時総会で正式に選出する。昨年5月に就任した御手洗冨士夫会長の下で行われる初の大型人事。
三菱商事の佐々木幹夫会長(69)、松下電器産業の中村邦夫会長(67)、三井物産の槍田松瑩(うつだ・しょうえい)社長(63)の3氏は現在、副会長への登竜門といわれる会長の諮問機関である評議員会副議長からの選出。
一方、日立製作所の古川一夫社長(60)は、昨年4月に社長に就任したばかりで、経団連の委員会委員長の経験もなく、異例の抜擢(ばってき)で、初の戦後生まれの副会長が誕生する。
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≪慣例破り“御手洗色” バランス優先に批判も≫
25日内定した日本経団連の副会長人事は、「バランス」をとりながらも、従来の慣例を破り、重要課題に対応した人材を起用し、“御手洗色”を打ち出したといえる。一方で、「日本経済の基盤は物づくり。製造業をもっとアピールする人事の方がよかったのでは」との声も聞かれた。
経団連の副会長には、慣例として業種や企業グループなどのバランスを取るための「枠」がある。
今回も「金融枠」では、公的資金の返済など大手銀行の健全化を反映する形で、前田氏が起用された。さらに、保険業界から森田氏も起用され、金融枠は1人増える。森田氏は、今後の重要な課題である社会保障制度改革での立案能力を期待されたとみられている。
「関西枠」では、武田國男・武田薬品工業会長の後任に中村氏が就く。御手洗会長は近著の「強いニッポン」(朝日新書)で中村氏との対談を掲載するなど、“蜜月”関係にあり、単なる関西枠ではなく、右腕的な存在になる可能性が大きそうだ。
商社から2人の副会長を選出するのは、今回が2回目。ロシアなどによる資源の国家管理が強まるなか、民間レベルの資源外交が重要性を増していることに対応したものとみらる。西岡喬・三菱重工業会長の退任で空いた「三菱枠」と、宮原賢次・住友商事会長に代わる「商社枠」を活用し、2人を起用したようだ。
新体制の副会長15人を出身業界別にみると、製造業が8人、サービス分野が7人とバランスが取れている。しかし、日本経団連が今月発表した将来構想「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)では、日本型イノベーション(技術革新)の推進や生産性の向上などがさらなる経済成長につながると強調しており、「バランスを優先しすぎ」との声も出ている。