“国全体の家計簿”である国際収支の昨年12月分に、松坂大輔投手(26)らプロ野球3選手の大リーグ移籍による影響がくっきりと表れそうだ。ポスティング(入札)制度によって日本の球団に支払われた移籍金が国際収支統計のうちの「その他資本収支」に計上され、“黒字”となる可能性があるためだ。
過去10年で、月間の「その他資本収支」が黒字になったのは1996年5月、同12月、2006年5月の3回のみ。それだけに「思わぬプロ野球効果」として、エコノミストらは財務省が2月14日に発表する予定の同統計を注目している。
昨年、大リーグ移籍が決まったのは元西武の松坂投手のほか、元阪神の井川慶投手(27)、元ヤクルトの岩村明憲選手(27)。3球団に対してそれぞれ支払われた金額は、松坂投手が5111万ドル(61億円)、井川投手が2600万ドル(31億円)、岩村選手が455万ドル(5・5億円)で合計約100億円と巨額だ。
国際収支は大きく「経常収支」と「資本収支」で構成。経常収支は、モノやサービスの輸出入の差額である「貿易・サービス収支」と海外からの投資収益を計上する「所得収支」、国際機関への拠出などを計上する「経常移転収支」に分類される。一方、資本収支は海外への工場投資や証券投資などを計上する「投資収支」と、海外への無償供与などを計上する「その他資本収支」に分けられる。
貿易で稼いだお金(経常収支の黒字)がうまく海外投資(資本収支の赤字)に回り、国としてバランスがとれているかとどうかを判断したりするのに利用する。ちなみに昨年11月の経常収支は1兆7564億円の黒字、資本収支が377億円の赤字だった。
3選手の移籍金が計上される「その他資本収支」の11月は230億円の赤字だったが、昨年6~9月に限ると毎月100億円台の赤字で推移している。