WSJ-ファイザー、カナダの「リピトール」訴訟で痛手

米製薬最大手のファイザー(NYSE:PFE)が、高脂血症治療薬「リピトール」の特許をめぐる訴訟で痛手を被った。リピトールのジェネリック版(後発の類似医薬品)が予想より早い時期に出回ることにつながりうる判断をカナダの裁判所が下したのだ。カナダでジェネリック版が発売されれば、同国でリピトールの売り上げが落ち込むだけではなく、米国に輸入されることで本国市場の売り上げも脅威にさらされる可能性がある。

ファイザーがリピトールの特許をめぐってインドのジェネリック薬大手ランバクシー・ラボラトリーズ(500359.BY)と争っている訴訟で、トロントの連邦裁判所の判事は25日、リピトールの有効成分であるアトルバスタチンのカルシウム塩をカバーしているファイザーのカナダ特許は、ジェネリック版の販売承認を阻止するために使われることはできない、との判断を下した。

ファイザー側の主張が認められていれば、この特許はカナダでリピトールを2010年7月まで保護できるはずだった。ファイザーは裁判所の判断を不服として、直ちに控訴する考えを表明した。

同裁判所は、アトルバスタチンをカバーするファイザーの基本特許については支持したものの、この特許は今年5月に失効する。

カナダでのリピトールの年間売上高は8億ドル強。これに対し、米国での昨年の売上高は78億5000万ドルだった。ファイザーにとっての真のリスクは、ジェネリック版リピトールがカナダから国境を越えて米国市場に浸透し、価格が押し下げられる可能性だ。

リピトール(一般名:アトルバスタチン)は売り上げ世界一の医薬品で、06年の売上高は128億8600万ドルだった。

ファイザーは、抗うつ剤「ゾロフト」の特許が昨年失効するなど、他の主力製品がジェネリック薬との競争に直面。リピトールに対する依存はかつてないほど高まっている。また、昨年12月には、善玉コレステロール(HDL)を増やすとされた治験薬トルセトラピブの臨床試験を打ち切った。トルセトラピブは、リピトールに取って代わる大型製品に将来成長すると同社は期待していただけに痛手となった。米国では、ジェネリック版リピトールは早ければ2010年に発売される可能性がある。

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