海外戦略、提携頼み りそな、公的資金足かせ 印・韓大手銀と協定

公的資金を完済したメガバンクが積極的な海外戦略を打ち出す中で、りそなホールディングス(HD)傘下のりそな銀行は、インド、韓国の大手銀行とそれぞれ業務協力協定を結んだ。まだ2兆3000億円余りの公的資金が残るりそなは国内事業に特化し、海外事業は“封印”しているはずだが、今回の海外金融機関との提携は、国内事業の強化に欠かせない戦略だ。

 「これで、アジアの主要国への“手”は打ち終わった」。りそな銀行ソリューションサポート部の国武泰志国際業務室長はこう話す。

 17日から始まったインド最大の国営商業銀行のインドステイト銀行、韓国大手銀行の韓国外換銀行との業務協力協定は、両国に進出するりそなの国内取引先企業を取り次ぎ、現地で融資などのサービスを受けられるようにすることが柱。

 公的資金行に課せられる経営健全化計画によって、りそなは海外進出が事実上縛られている。そこで考え出したのが、海外金融機関との提携だ。りそなの代わりに、提携金融機関が現地で取引先の中小企業などに金融サービスを提供する。

 海外進出する取引先に海外でサポートできないと、国内取引にも響きかねず、ライバル行に顧客を奪われる恐れさえある。これを防ぐ戦略だ。

 伊藤嘉英国際業務室グループリーダーは「提携先のサービスは、他の邦銀の海外支店のサービスメニューと遜色(そんしょく)ない。あたかもりそなの支店のよう」と強調する。

 りそなは経営が悪化した2000年前後に欧米拠点を全面撤退するなど、ピークで100近くあった海外拠点のほとんどを閉鎖。中国・アジアの一部に合弁会社、駐在員事務所を残すのみ。

 その後、業績回復とともに海外との提携を拡大。すでに中国、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの金融機関と提携。今回のインド、韓国を加えことで、中国を含めたアジアのネットワークはほぼ完成した。

 ただ、提携によるサービスは「信用状発行に伴う手数料など収入源が限られる上、自ら進出した場合に比べてコミットしたサービスに限界がある」(銀行関係者)のも事実。間接的な支援がどれだけ通用するか、不透明な部分もある。

 公的資金の“呪縛(じゅばく)”によって、国内事業に特化しているりそな。完済の原資を稼ぐのに「あと3~4年」(細谷英二りそなHD会長)」かかる見通し。少なくともそれまでは、自らの海外進出は他の大手銀行から周回遅れを余儀なくされる。提携という“つなぎ”戦略でどこまで対抗できるか。

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