露ガスプロム イメージ回復へ始動 “辣腕”PRマンを起用

日本の商社も参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の経営権を“奪取”した露政府系天然ガス独占企業体ガスプロムが、地に落ちたイメージを回復すべく本格的なPR(広報)戦略に動き出した。その中心人物は、かつて世界的な不祥事を引き起こした英国原子燃料会社(BNFL)の風評を数年で回復させた辣腕(らつわん)PRマンだ。ガスプロムの思惑通りに諸外国の信頼は改善するか。

 ガスプロムは昨年末、環境当局によるサハリン2への圧力を背景に、外資から同事業の株式過半数を獲得。工事が8割方完成していた時点での「暴挙」(消息筋)が改めてロシア流ビジネスの本質を見せつけた。同社は昨年初頭にも、隣国ウクライナに急激な価格引き上げを突きつけて欧州向けガス供給を停止、「ロシアは天然資源を『武器』としている」「G8(主要国首脳会議)メンバーにふさわしくない」との声が欧米でも高まっている。

 そんな中、今月からガスプロムのPRを一手に取り仕切ることになったのが、BNFLの前PR責任者でロンドンを拠点とするフィリップ・デュファースト氏だ。


 BNFLは1999年、日本のプルサーマル用に製造したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の品質管理データを捏造(ねつぞう)したことが発覚し、世界的に信頼が失墜。原子力の専門家としても知られる同氏は2001年からBNFLのPRを担当し、多額の資金と積極的なロビー活動で失地回復の影の立役者となった。

 同氏は「当時の私は、原子力の安全性とメリットを地道に訴えたにすぎない」と語り、大不祥事にもかかわらず、事の肯定的側面を強調することで難局を乗り越えたことを明かす。次なる“顧客”であるガスプロムについても「ガスプロムのPR戦略を恐れるのは冷戦時代の思考だ。同社が現代的で西欧的な企業であることを訴えたい。ジャーナリストや議員と積極的に話をしていく」と自信をのぞかせている。

 ガスプロムのPR戦略は同氏の引き抜きにとどまらない。露紙コメルサントによれば、同社は米大手PR会社のPBN社などと欧米でのPR活動に関する3カ年契約を交渉中で、契約額は2007年分だけで約1100万ドル(約13億3000万円)と「破格の額」(広告業界関係者)になるとみられている。

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