イー・トレード 貸株サービスに参入 「タンス株」獲得を拡大

ネット専業証券最大手のSBIイー・トレード証券は、個人投資家が保有株式を預けただけで一定の金利が得られる貸株サービスの提供に乗り出す。現在、システム処理の対応準備を進めており、態勢が整い次第、3月にも提供を始める。個人向けの貸株サービスは、同じネット専業証券のマネックス証券や松井証券(一定条件で特定銘柄に金利が発生する限定型)が事業化している。同サービスへの参入で競合との品ぞろえの差を改善する一方、家庭に埋もれている時価約30兆円、約180億株(2006年3月末、証券保管振替機構調べ)の「タンス株」を取り込む。

 貸株サービスは、銀行や保険会社、投資ファンドといった機関投資家同士が、株式を短期的に貸し借りする専門の貸株市場に、証券会社が個人投資家から預かった株式を貸し出し、借り手から金利を取る仕組み。個人投資家は保有株を預けただけで、証券会社から一定の金利収入が得られる。

 マネックスが提供している貸株サービスの現在の金利水準は年利0・5%で、たとえば顧客が時価評価で100万円分の株式を1カ月(30日間)同サービスに預けると、410円の金利収入が得られる。

 イー・トレードのサービスは内容の詳細を検討中だが、貸株金利の水準はマネックスへの対抗上、同等以上の金利設定とする方向だ。


 機関投資家の貸株市場から得られる金利収入から、顧客に相応の魅力ある金利を支払うと、証券会社の仲介利益はかなり限定的とみられる。ただ、株取引の業界最低手数料と同様に、薄利でも競合への対抗サービスを品ぞろえすることで、個人投資家に対する取引シェアの優位を維持する狙いがある。

 また、個人が自分で管理する「タンス株」は、権利失効の恐れのある2009年の株券電子化をまえに、金融機関への預け入れの動きが今後加速する見込み。このため、貸株サービスを受け皿にタンス株を積極的に開拓し、経営基盤となる預かり資産の拡大にもつなげる。

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