「支払い漏れ」再点検 金融庁、生保38社に命令

金融庁は1日、国内の全生命保険会社38社に対し、保険金が支払われていない「支払い漏れ」の件数、金額の報告を求める命令を同日付で出した。第一生命保険が支払い漏れがあることを公表したことを受け、全社に点検を促す。

 今回の命令は、2001~05年度までの過去5年間で、追加的な保険金支払いの必要がある場合の件数と金額を4月13日までに報告するよう要請した。

 第一生命が1月に、がん、急性心筋梗塞(こうそく)、脳卒中の3大疾病特約などで保険金支払い漏れが見つかったことで、他社にも同様の事態がある可能性は高いと判断した。

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 ■行政処分への最後通告

 金融庁の命令について、生命保険各社は「損保のように何度も新たな保険金不払いが発覚することだけは避けたい」(大手幹部)と、損保業界を“他山の石”として再調査する考えだ。

 生保業界の保険金不払いをめぐっては、明治安田生命保険が2005年に不当不払いで年間2度の業務停止命令処分を受けた。これを契機に、国内の全生保が過去5年間の保険金・給付金の不払いを調査。32社で合計1488件(約72億円)の不払いが発覚している。

 事態を深刻に受け止めた生命保険協会は05年12月、不払いだけでなく、すでに支払い済みの案件でも事務ミスなどによって支払い漏れがなかったかどうかの自主調査を07年3月末までに実施するように求めていた。

 ただ、この自主調査も「社によって調査への温度差がある」(大手生保)という指摘もあった。そうした中で、第一生命保険の未払いが最大約1600件との発表があった。

 一方で、金融庁には、損保の保険金不払い、支払い漏れが相次ぐ中で、この問題で先に問題になった生保による自主的調査がなかなか進まないことにいらだちがある。

 生損保ともに、契約者から保険金請求があったものについての調査は終わろうとしているが「請求がなければ支払わなくても構わない」という生保業界の姿勢を問題視している。

 今回の報告締め切りは、業界の自主的な調査期限の2週間後に設定。つまり、自主調査が不十分だったり、その後に支払い漏れが発覚した場合は、厳しい行政処分を下す“最後通告”の意味合いが強い。

 「保険会社への信頼は地に落ちている」(金融庁幹部)という環境下で、全容解明に“待った”は許されないことを生保各社は肝に銘じなくてはならない。

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