国民の20%が罹患(りかん)しているといわれる花粉症だが、シーズン入りを前にマンションデベロッパー(開発業者)が対策に乗り出した。
マンションの入館口にはエアシャワールーム、マンション内に外気を取り込む吸気口には特殊な花粉除去フィルターを取り付けることで、居住空間への花粉侵入を防御する。
日本綜合地所は、この防御対策を2月末に引き渡し予定の新築分譲マンション「グランシティユーロパレス花小金井」(東京都小平市)に採用。3000万円台を中心に供給した39戸はすぐに完売したという。
同社は昨年2月、クリーンルーム最大手の日本無機と共同で高性能「花粉除去フィルタ」を開発し、その後に発売するすべての物件に装着する方針を示していた。その第1号が「グランシティユーロパレス花小金井」となった。
また、入館口にエアシャワールームを設置することで、花粉の持ち込みを低減できるため、今後はフィルターとエアシャワーをセットで設置することにした。
これに先立ち、同社が東京都港区に竣工(しゅんこう)した本社ビルに花粉除去フィルターとエアシャワーを導入し、社員などに入館時のエアシャワー使用を義務づけた。同社の西丸誠社長をはじめ経営陣の多くが花粉症に悩んでいたことも、徹底した対策強化の原動力になったという。
ホテル業界では東急ホテルズが、都内のビジネスホテルに花粉症対策ルームを開設しているが、分譲マンションでは日本綜合地所が初の試みとみられる。
マンションブームの中、デベロッパー各社は差別化を模索しているが、花粉症に着目した同社の戦略は一つの突破口といえそうだ。