日立製作所、エレベーター用に地震時管制運転システムを開発

日立製作所は、これまでエレベーターの地震感知器で感知できなかった数秒以上の長い周期でゆっくり揺れる長周期地震動に対応したエレベーター運転システム「日立長周期センサー地震時管制運転システム」を開発し、販売を開始した。

 高さ120メートル以上の超高層ビル向けを中心に売り込み、初年度20物件への導入を目指す。

 1システムの価格は、ビルの大きさやエレベーターの設置数によって異なるが、数百万円になるとしている。

 大規模地震でのエレベーター災害として、機器の損傷や故障でエレベーター内に長時間閉じ込められる事態が想定される。通常のエレベーターには一定以上の揺れを感知すると最寄り階に移動し、自動停止するシステムが採用されている。しかし、長周期地震動を感知できるシステムはなかった。

 新システムは、ビル特有の揺れの周期に基づき、乗りかごを吊っているロープなどの揺れの発生や成長、収束に至るまでの過程と、その揺れ幅をリアルタイムに予測・演算する機能を付与した。このため、長周期地震動が発生してもロープなどの振れ幅が小さく、エレベーターの運行上問題がないと判断した場合は、エレベーターを停止させないようにした。エレベーターが停止した場合でもシステムが安全運行に問題がないと判断すれば自動的に復旧する機能も搭載した。

 同社は1985年に業界で初めて長周期地震動を感知し、感知するとエレベーターの運転を自動停止させるシステムを開発した。しかし、小さな揺れでもエレベーターが停止する点が課題となり、エレベーターがいったん停止すると、運転再開には作業員の保守・点検が必要で、復旧までに時間を要していた。

 同社では「不必要なエレベーターの停止を防止するとともに、復旧時間の大幅な短縮につながる」(都市開発システムグループ)と話している。

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