経営再建中の三洋電機は19日、野中ともよ会長(52)が、「一身上の都合」を理由に同日付で辞任したと発表した。同日の臨時取締役会に野中氏が辞表を提出し了承された。関係者によると、2月に発覚した不適切な会計処理の徹底調査を訴えたが受け入れられなかったため、辞意を表明したという。
野中氏は上智大文卒。NHK、テレビ東京の報道番組「ワールドビジネスサテライト」のキャスターなどを経て、2002年に三洋電機の社外取締役に就任。業績が落ち込んだ05年6月に、創業家の井植敏会長と桑野幸徳社長の辞任を受け、敏会長の長男の敏雅氏が社長に、野中氏が会長兼CEO(最高経営責任者)に就き、“サプライズ人事”として注目を浴びた。
だが、経営再建は軌道に乗らず、07年3月期の連結最終損益は当初の黒字予想から一転して500億円の赤字となる見込み。携帯電話向け電池など製品の不具合が相次いだほか、不適切な会計処理では01年3月期から4年分の決算を訂正することを決めている。
経営の経験のない野中氏に対し就任当初から取引先金融機関の間で手腕を疑問視する声があったほか、現在は金融機関から取締役が派遣されており、「経営再建の主導権はすでになくなっていた」との声も出ていた。