WSJ-アイカーン氏、住宅建設大手WCIの株式公開買い付けを提案
米国の住宅セクターが販売の鈍化に見舞われ、住宅向けサブプライムローン(信用度の低い借り手への融資)のデフォルト(債務不履行)が増えるなか、著名投資家カール・アイカーン氏は、住宅市場の低迷が著しいフロリダ州を中心に住宅建設を手掛けるWCIコミュニティーズ(NYSE:WCI)に買収提案した。WCIは同州の高級コンドミニアムタワー建設で知られている。
ここ数カ月でWCI株を大量に取得した同氏は13日、同氏の関連会社とともに、1株22ドルでのWCI株公開買い付けを始める予定であると発表した。この買付金額は、WCI株の12日終値に基づくと16%のプレミアムとなり、WCIの資産価値を9億2400万ドルと評価していることになる。ただWCI取締役会が、最近発動された、他者からの乗っ取りを防ぐためのポイズンピル(毒薬条項)を解除することが公開買い付け開始の条件。
WCI株のパフォーマンスは長年、同業他社より劣っており、簿価を下回っている。この簿価は、同社を清算すると仮定した場合の評価額の概算。
アイカーン氏は声明で「われわれは、WCIの取締役会と最高経営責任者(CEO)が同社固有の資産の価値を最大化できなかったと考えている」とした。
アイカーン氏の株式公開買い付けが確実に成功するとはいえない。同氏は昨秋、不動産投資信託(REIT)の米レクソン・アソシエーツ・リアルティー(NYSE:RA)を買収しようとしたが失敗に終わった。
アナリストは、WCIがフロリダ州で保有している不動産の価値はアイカーン氏の提示額を上回っていると考えており、WCI取締役会がアイカーン氏の提案を拒否する可能性があるとみている。
アイカーン氏は13日、WCI普通株の公開買い付け計画を発表した後のインタビューで「短期的な混乱を考慮せず長期的なトレンドに注目すると、リスク・リワード比は非常に有利」との見方を示した。「中長期的には、フロリダ州に追い風となる要因が数多くある。第二次世界大戦のころに生まれた世代が米南部に移住し、南米からは移民が流入している」と指摘している。
さらに同氏は、「同社にとって今が売却に最適な時期ではないことは明らか。だが、WCIのジェリー・スターキーCEOと現取締役は、今後も業界の厳しい状況が続くなかで同社のかじ取りをする能力を持ち合わせていないと私は考えている」と、WCI経営陣への不満を示した。WCIは、「アイカーン氏の提案を検討する」としたものの、同氏からの批判についてはコメントを避けた。
WCI株の13日終値は、前日比2.83ドル(14.92%)高の21.80ドル。