WSJ-アイカーン氏、モトローラの取締役就任にさらなる意欲表明
「アクティビスト投資家(行動する投資家)」として知られるカール・アイカーン氏は13日、米通信機器・半導体大手モトローラ(NYSE:MOT)の取締役就任を目指す意向をより強く表明し、「同社取締役に選任されるために必要な時間、努力、資金をつぎ込む」と株主に宣言した。
アイカーン氏は、関連会社を通じ、モトローラ株を実質2.9%保有している。同氏は株主あての書簡で、「私はモトローラの大株主であり、事業経験が豊富であるにもかかわらず、モトローラの取締役会が私を取締役に選任することになぜ賛成しないのか、理解できない」とした。
モトローラは、利益の減少や株価の下落にあえいでいる。株価は昨年10月に比べ3分の2の水準に低下している。2006年10-12月期決算は前年同期に比べ利益が3分の2に減少し、07年1-3月期決算については赤字を予想している。人気の薄型携帯電話機「RAZR(レーザー)」は、競争激化に直面し利益率が急低下している。さらに4-6月期の業績についても「困難(な四半期)になる」としている。
アイカーン氏は書簡で「私の事業経験から、モトローラの問題は事業運営の失敗だけではなく、取締役会が受け身の姿勢であることも要因と考えられる」とした。この書簡は12日付で、証券取引委員会(SEC)にも提出した。同氏はこの中で「モトローラについての最大の懸念は、事業運営の度重なる失敗を取締役があまりにも長い間指摘せずにいるため、業績が急降下したのではないかという点だ。私を取締役に加えればこうしたことは決して起こらないと断言する」とした。
これに対し、エド・ザンダー会長兼最高経営責任者(CEO)は株主あての書簡で、取締役会を擁護するとともに、アイカーン氏に賛同しないよう呼びかけた。また、「モトローラは委任状争奪戦を避けるためにアイカーン氏を取締役に選任することはない」と付け加えた。
アイカーン氏は、かつて同社に強力に迫っていた自社株買い枠の拡大について、「モトローラの事業運営の問題が解決するまで、以前は適切とみられていた自社株買いなどは前面に出すべきではない」と、トーンダウンさせた。同氏は1月後半、同社に112億ドルの手元資金すべてを自社株買いに充てるよう迫り、取締役就任を目指すと宣言した。これを受けモトローラは3月後半、主にアイカーン氏に譲歩する意味で、自社株買い枠を拡大する方針を明らかにした。
アイカーン氏は、取締役に選任されれば、兼務する他社の取締役を5社以内に減らし、「先入観を持たずに」モトローラの取締役を務めるとしている。
モトローラ株の13日終値は、前日比0.22ドル(1.26%)高の17.74ドル。その後の時間外取引では下げに転じ、17.65ドルで取引された。
アナリストは、モトローラの苦境は今後も続く可能性があるとみている。韓国のサムスン電子(005930.SE)は先週12日、同社の携帯電話機部門について、1-3月期は販売台数が増えたうえ利益率も向上したと発表した。アナリストは、これはモトローラの実績が悪化したことによるものだとしている。サムスン電子の携帯電話機部門は出荷台数ベースで、フィンランドのノキア(NYSE:NOK)、モトローラに次いで世界3位の規模。
モトローラは1-3月期決算を18日に発表する予定。