アデランス 買収防衛、高すぎる配当

アデランスが株主への配当を大幅に引き上げるなどの企業価値向上策を決定したのは、筆頭株主である米系投資ファンドのスティール・パートナーズと、買収防衛策導入の是非をめぐって全面対決となる5月24日の定時株主総会をにらんでのものだ。

 スティールは、アデランスの発行済み株式の24・69%の株式を保有。アデランスが昨年12月に取締役会で決定した買収防衛策の廃止を求める株主提案を行っている。

 スティールを含む外国人持ち株比率が約5割と高く、スティールの提案に同調する株主も多いとみられるなか、アデランス経営陣は配当性向の引き上げなどで、防衛策導入について株主の理解を求める考えだ。

 株主にとって配当が増加することは歓迎すべきことだが、今回の提示した水準は「あまりにも大きすぎる」と、M&A(企業の合併・買収)に詳しい大和総研の吉川満常務理事は指摘する。アデランスは06年2月期の配当が1株あたり年間44円で、配当性向が26%。さらに07年2月期が同75円で、51・9%、08年2月期は80円配当を目標として公表。世界的にみても「優良企業の配当性向は平均33%程度」(吉川氏)というなかで、異様な水準だ。そこまでしてでも、アデランスは買収防衛策を導入させたいという強い意志の表れだ。

 しかし、吉川氏は「一連の行動を評価すればスティールは(特定企業の株式を買い集め、企業や関係者に高値で買い取りを迫る買収者を示す)グリーンメーラーとみてもよい」という。米国でもグリーンメーラーに対しては、取締役会決議での強い防衛策導入は認められているだけに「アデランスはあまりにも譲歩しすぎた」(吉川氏)可能性もある。

 アデランスとしては、市場環境の悪化で低迷している業績を改善させることに集中したいのだが、スティールとの争いが結果的には社員、経営陣のモチベーションを低下させているのも事実。もはや、明確にスティールをグリーンメーラーと位置づけた上での戦い方も必要となっている。

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