多重債務者問題 高校で「借り方」教育 家庭科指導要領に

深刻化する若年層の多重債務者の増加を食い止めるため、金融教育を強化する動きが広がっている。政府は今月20日に決定した「多重債務問題改善プログラム」で高校家庭科の学習指導要領に多重債務者問題を明記することを盛り込み、文部科学省が具体策の検討に入った。民間金融機関や日銀でも、学校との共同プロジェクトなどの取り組みに乗り出している。

 全国信用情報センター連合会の調べによると、5社以上から借り入れのある多重債務者は現在約230万人。このうち20代の若年層が約46万人と2割を占めており、年々増加傾向にあるという。

 政府の改善プログラムは、関係閣僚などで組織する政府の多重債務者対策本部が策定したもので、相談窓口を全国に設置することなどを打ち出した。予防措置である金融教育の充実では、高校家庭科の学習指導要領を改定を要請している。

 現在の高校家庭科は家庭基礎、家庭総合、生活技術の3科目の内から1科目を履修。「クレジットカードの使い方などを含めた消費者教育は3科目のほぼすべての教科書で取り上げられている」(文科省初等中等教育局)。

 ただ、多重債務者問題を教えることは指導要領に明記されておらず、政府は、要領での明確な位置づけが必要と判断した。文科省でも、「多重債務問題をフォローするのは自然の流れ」(同)とし、安易な借り入れを防ぐとともに、お金の価値に対する認識を備える授業の実施など具体策を検討していく。

 一方、民間でも金融教育のあり方を模索する動き活発化している。みずほフィナンシャルグループは東京学芸大学と共同で、2006年度から3年間の「金融教育共同プロジェクト」を実施。小、中、高校生向けの金融教育テキストや用語集の開発のほか、授業方法の研究を進めている。今後、現職の教師を対象とした公開講座などを通じ、プロジェクトの成果を実際の現場に還元していく考えだ。

 日銀の情報サービス局内の金融広報中央委員会でもは、「金融教育公開授業(全国リレー講座)」を実施。全国の小中高校で金融知識の講義やトレーディングゲームなどの講座を開講している。

 大学生や新社会人でも簡単にお金を借りられることに加え、安易に借り入れを繰り返す若者が増えていることが多重債務の原因となっており、自分の身に置き換えて実感できる、より具体的な指導プログラムが求められているといえそうだ。

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