【中国】リンクスタッフが仲介事業 日本語のできる中国人医師を日本の医療機関に

地方や小児、産婦人科の不足解消に一役

 転職を希望する医師を医療機関に橋渡しする人材紹介会社、リンクスタッフ(東京都港区)は1日、日本語のできる中国人医師を日本の医療機関に仲介する事業に乗り出す方針を明らかにした。中国の国有人材会社、北京外企人力資源服務(FESCO)との提携関係を拡大し、日本語の話せる中国人医師のデータベースを活用する。日本国内では医師が都市部に偏在し、地方での医師不足が社会問題化しているほか、深刻化する小児科、産婦人科の医師不足にも対応する。

 すでに、医師不足が深刻な東北などの地方の国立病院などから紹介依頼を受注している。1年半は助手として働き、その後、日本の医師国家試験を受験し医師として働いてもらう仕組みで、年内に50人程度を紹介したいとしている。

 IT(情報技術)人材紹介で提携済みのFESCOと、業務提携の範囲を医師まで拡大する。FESCOに加えて人材紹介大手、中国国際技術智力合作公司とも提携する方向で検討しており、日本語のできる中国人医師をリストアップする。

 岩手県では2005年に産婦人科医不足を補うため、「臨床修練制度」を利用して中国の遼寧省瀋陽市の中国医科大と協定を結び、岩手医大に日本語のできる中国人医師を研修医として迎え入れたケースがある。

 同制度は認定を受けた病院であれば指導医の下、外国人研修医が診療などに従事できる制度。本来は、外国人研修生のために創設した制度だが、国内の医師不足のために活用した珍しいケースで、同様の活用方法を検討している地方の大学病院も少なくないという。

 日本語のできる中国人医師は、日本財団が中国の衛生省(日本の厚生労働省に相当)を通じて実施する留学制度だけでも延べ1700人にのぼる。リンクスタッフでは、中国医科大のように日本語学科のある中国の医科大学も加えると約1万人の医師がいるとみており、「日本で働きたい中国人医師を日本の医療現場に仲介できれば社会貢献できる」(杉多保昭社長)と話している。

 同社は、医師の転職紹介でトップシェアを持つ。国立病院の医局から開業医や民間クリニックなどへの紹介実績は、06年度で4846件と04年度の2倍強にのぼった。

 03年12月にIT分野の人材を紹介する日中合作企業「上海リンクスタッフコンサルティング」を設立。加えて数年前から上海など大都市で働きたい日本人医師を民間の医療機関に紹介する仲介ビジネスも始め、年々拡大しており、医師の転職紹介を日中に拡大したい考え。

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【用語解説】医師不足

 日本の医師数は国民1000人あたり1・98人と経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の医師数2・98人を大幅に下回る最低水準。毎年8000名が医師国家資格を取得しているが、医師は都市に集中しているほか、勤務時間の長い小児科医、産婦人科医への志望者が年々減少。2004年の医師の総数は20年前の1984年に比べ49%増の約27万人。このうち小児科医は8%減の3万2151人、産婦人科医は13%減の1万555人となっている。

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