金利上昇なら「スワップ」に追い風
優越的な地位を乱用して融資先企業に「金利スワップ」と呼ばれる金融派生商品の購入を強要していたとして、三井住友銀行に対して金融庁が命令した1年間の一部業務停止などの行政処分が14日、終了する。処分対象となった法人営業部の事業で再スタートを切り、中小企業ビジネスで巻き返しに打って出る。
金利スワップは、固定金利と変動金利を交換する取引で、変動金利での借り入れと組み合わせることで、実質的に固定金利の借り入れに変換できる。三井住友は他行への借り換えが難しい融資先に対し、融資の条件として金利スワップの購入を実質的に強制。融資先に損害が及びかねない取引を繰り返した。
このため、金融庁は昨年5月15日から全国の拠点の法人営業部による同種商品の販売を半年間、法人営業部の新設を1年間停止するよう命じていた。
処分による影響について、奥正之頭取は当初、「2006年度の金融派生商品の業務粗利益は約1000億円で、このうち金利スワップは約400億円。半年間の販売停止で200億円の影響を受ける」と説明。ただ、中小企業向けを中心に処分対象以外の業務にも影響は広がったもようだ。
行政処分が解けることによる影響については、すでに商品の販売を再開していることもあり、「軽微にとどまる」(関係者)とみられる。
ただ、金利スワップは、低金利で推移した場合には顧客にとって不利になる可能性があるものの、金利が上昇すれば投資としての魅力が増す商品。このため、昨年7月の日銀によるゼロ金利政策解除以降の金利上昇局面では、大手各行が販売に力を入れている。
特に、中小企業向け取引は、大企業向け融資が頭打ちの中で各行が収益拡大の柱と位置付け、力を入れている。行政処分という呪縛(じゅばく)から解放されることは、三井住友の事業展開に追い風となりそうだ。