テン・アローズ 三屋裕子社長に退陣要求 創業家「方針で食い違い」

自ら社長就任を主張

 女性下着販売のテン・アローズは、創業家の林勝哉氏(38)から、27日の定時株主総会で三屋裕子社長(48)ら現取締役7人の再任に反対するとの通知を受けた。林氏は創業家を中心に、新任役員を選任する修正動議を提出する意向で、可決される可能性が極めて高い。元女子バレーボール五輪メダリストの三屋氏が華々しく社長デビューして3年。いったい何があったのか。

 三屋氏がテン・アローズの前身「シャルレ」の社長に就任したのは2004年6月。当時の林宏子社長(69)が、84年のロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得した女子バレーの中心選手だったことに着眼、イメージアップのために就任を要請した。

 当時のシャルレは業績が振るわず、三屋氏には経営再建を託された。抜群の知名度を武器に事業拡大をもくろんだが、これまでのところ業績は回復せず、07年3月期まで3年連続で最終赤字を計上した。

 勝哉氏は創業者の林雅晴名誉会長(72)と宏子氏の長男。現在、グループ会社で生活雑貨関連事業を手がける「がいS(がいず)」の社長を務める。

 勝哉氏は20日、大阪市中央区の大阪証券取引所で記者会見し、退陣要求の理由について「3年間で売上高が約100億円減ったのに、抜本的な経営改革の手を打っていない」と説明。「自分が社長に就き、宏子氏が取締役に復帰し、3人の社外取締役を迎えたい」と主張した。

 さらに、三屋氏と事業方針で食い違いがあったことを明かし、「現役員には既存事業を整理して土台づくりをしていただいたが、明確な成長戦略がない。進化のため新たな経営体制に移行するべきだ」と述べた。

 こうした指摘に対し、テン・アローズでは「今年の4、5月の売上高は11年ぶりに前年同月実績をクリアし、業績は回復基調にある。修正動議は寝耳に水」(社長室)と当惑気味だ。

 同社によると、株主招集通知に記載する役員選任議案について、創業家とテン・アローズは3月上旬から協議を重ね、勝哉氏の取締役選任が決まったが、その後「勝哉氏が辞退を申し出た」(幹部)という。同社は「現経営陣が継続して経営に当たることが最善。大株主と相談し、理解を得たい」(関係者)というが、林家は発行済み株式の約56%を保有しており、修正動議が提出されれば可決されるとみられる。

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