三菱UFJ、ジャックスを傘下に ノンバンク争奪戦、激化の一途
三菱UFJフィナンシャル・グループは21日、信販大手ジャックスへの出資比率を現在の6・9%から20%超に引き上げると発表した。傘下の三菱東京UFJ銀行がジャックスが実施する第三者割当増資を引き受けることを軸に検討しており、年内にも実施する。
同時にグループの三菱UFJニコスの信販事業をジャックスに譲渡する方向で協議を進める。これにより、高額商品などを分割払いで購入する信販取扱高でジャックスはオリエントコーポレーションを抜き、業界トップとなる。
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三菱UFJフィナンシャル・グループがジャックスを傘下に収めるのは、傘下のセントラルファイナンス(CF)が三井住友フィナンシャルグループへ離脱し、痛手を被った信販部門を立て直す狙いがある。
貸金業規制法改正によるグレーゾーン(灰色)金利の撤廃の直撃を受けるノンバンクにとって規模拡大によるコスト削減は急務。CFを“強奪”した三井住友はダイエーのクレジットカード子会社、オーエムシーの株式も取得する見込みで、メガバンクによる“ノンバンク争奪戦”が一段と激しさを増してきた。
信販契約はクレジットカードの普及で減少傾向にあり、各社とも「キャッシングなどのカードローンの利益に依存している」(関係者)のが実情だ。
≪個人向け強化≫
しかし、2009年中に予定されている利息制限法の上限金利を超える灰色金利の撤廃で、収益構造が崩壊する危機に直面している。
それでも、法人向け貸し出しが伸び悩むメガバンクにとって、ノンバンクが扱う個人向け融資は「魅力的な市場」(大手銀行幹部)。三菱UFJの畔柳信雄社長も「厳しい環境であるが、健全なマーケットの育成に努める」として、ノンバンクとの提携をさらに強化する姿勢をみせている。
実際、三菱UFJでは、実質的な筆頭株主として親密な関係にあったCFとジャックスを経営統合させるというグループ戦略を描いていた。
ところが、CFが三井住友の傘下に離脱したため、計画は頓挫。残されたジャックスのてこ入れを迫られていた。
ジャックスは97年にすでに灰色金利による融資を廃止していたこともあり、「グループに取り込んでもリスクは小さい」(三菱UFJ関係者)と判断し、出資比率の引き上げを決断。さらに規模拡大を図るため、三菱UFJニコスの信販事業の譲渡にも踏み切る。
これにより、「信販事業はジャックスにまかせ、三菱UFJニコスはカード事業に注力する」というグループ事業の再編にもつながる。
一方、三井住友は、現在、ダイエーと株式取得の交渉を進めているオーエムシーカードを傘下に収める見通し。中核の三井住友カードに加え、傘下のクオークとCFを合併させることも視野に入れており、ノンバンク事業で攻勢をかける。
≪JALに触手≫
みずほフィナンシャルグループも、信販大手オリエントコーポレーションの連結子会社化を計画しており、関係を強化し対抗する構えだ。
ノンバンク側にも「信用力の後ろ盾がほしい」(大手カード会社関係者)との思惑があり、積極的にメガバンクとの提携戦略を模索している。
ノンバンク業界では、経営再建中の日本航空が一部株式の売却を検討している「ジャル(JAL)カード」が、“最後の大型案件”として注目を集めている。3メガバンクとも触手を伸ばしているとされ、水面下で激しい火花を散らしているという。