住商・伊藤忠・スイス社 豪で大規模炭鉱開発 総事業費1210億円

住友商事、伊藤忠商事とスイスの鉱物資源メジャー(国際資本)、エクストラータの3社は19日までに、豪州の未開発大規模鉱山、ワンドアン炭鉱(クイーンズランド州)の共同開発で合意した。石炭需要が世界的に拡大していることに対応し、当初の開発計画を前倒しする。同炭鉱の開発には輸送用鉄道も必要となり、総事業費は10億ドル(約1210億円)に上る。生産量は同国の露天掘り炭鉱で過去最大規模に達する見通しだ。

 住商と伊藤忠は2003年にエクストラータから、ワンドアン炭鉱や付近にあるロレストン炭鉱などの石炭権益の一部を取得している。計画によると、3社は09年までに事業化調査(FS)を行い、11年に操業を開始。30年間にわたり、年間2000万~3000万トンを生産する。エクストラータが住商や伊藤忠の販売ルートも活用し、主にアジア向けに販売する。事業費はエクストラータが75%、住友商事と伊藤忠商事がそれぞれ12・5%を負担する。

 同炭鉱は内陸に位置することから、開発計画には石炭や関連資材輸送などに利用する200キロメートル超の貨物鉄道の建設も盛り込まれている。エクストラータは一般炭で豪州最大規模となる同炭鉱開発が、地元の雇用や経済にも貢献するとして、クイーンズランド州政府主導の鉄道建設を求めている。鉄道建設に日本勢が参加する可能性もある。

 同炭鉱の開発は当初「15~20年先」(大手商社)に予定されていた。しかし、すでに石炭輸出国の中国が輸入国に転じたほか、石炭火力発電の依存度が高いベトナム、インドネシア、インドなどアジア市場での石炭需要が急拡大する見通しとなり、石炭のスポット価格(一時取引)も7月時点で1トン当たり63・7ドルと昨秋に比べ20ドル近く上昇。事業の採算性が向上したため、開発を早めることにした。

 豪州の主要炭鉱権益はメジャーのエクストラータ、英豪リオ・ティント、同BHPビリトンなどが握っているが、1月に三菱商事などがクレアモント炭鉱(クイーンズランド州)の開発計画を発表したのに続き、今月、双日が資源開発の豪フェリックス・リソーシズからムーラーベン炭鉱(ニューサウスウェールズ州)の権益10%を取得し共同開発する計画を発表するなど日本勢の参入が相次いでいる。

 石炭資源の争奪戦が激化するなかで、豪州では今後も日本の商社とメジャーによる共同開発の動きが活発化する見通しだ。

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【用語解説】豪州炭

 豪州は2005年の世界の石炭輸出量7億7200万トンのうち約30%を占める最大の輸出国。これにインドネシアの14%、ロシアの10%、中国の9%が続く。水分が多く利用には改質が必要なインドネシア炭や、輸送コストなどで割高なロシア炭に比べ豪州炭の人気は高く、日本では輸入の約60%を占める。

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