10月1日の郵政民営化で発足する窓口業務運営の「郵便局会社」は、簡易保険の販売を担当する新人の教育を行う社内学校を来年4月にも開設する。郵便局会社が運営を行い、生命保険事業を担う「かんぽ生命保険」が指導カリキュラムを提供。全国50カ所に開設する計画だ。
簡易保険の7割以上を占める養老保険は、運用利回りの悪化や少子高齢化による市場の縮小を背景に販売の低迷が続いている。かんぽ生命は、民営化後も郵便局窓口を主要な販売チャンネルと位置付けており、連携を強め、販売のてこ入れを図る考えだ。
社内学校の名称は「育成センター」(仮称)。研修期間は4カ月程度を予定しており、最初の3カ月間は各地の拠点で講習を行い、残りの1カ月間は郵便局で実地研修を行う。
セミナーでは商品知識のほか、ビジネスマナー、実践的な販売手法など、簡易保険の販売に必要な知識とノウハウを幅広く教える。簡保の販売については、コンプライアンス(法令順守)体制の不備が厳しく指摘されており、新人の段階から法令順守の徹底を身に付けさせる狙いもある。
かんぽ生命では、8月にプロジェクトチームを立ち上げ、現在は、カリキュラムの開発を進めている。開発には長年、郵便局で簡易保険の販売を担当し優秀な成績をあげた職員も参加している。
日本郵政公社でも、2005年に「育成指導センター」を立ち上げ、簡易保険の販売担当者に対する指導を行ってきたが、今年8月に解散した。
簡易保険は2007年3月期の新契約件数が前年同期比20・6%減の238万1000件と低迷。貯蓄と死亡保障を兼ね備えた主力の養老保険の魅力がが、低金利政策の長期化による利回りの低下で薄れているためだ。消費者のニーズが医療やガン保険など第3分野商品にシフトし死亡保障型の市場が縮小していることも影響している。
かんぽ生命では、主力商品の立て直しを図る一方で、第3分野商品の開発販売に進出することを検討している。郵便局会社も民間生保の第3分野商品の代理店販売を行う計画だ。
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【用語解説】簡易保険
日本郵政公社が取り扱っている生命保険。加入限度額は1000万円。契約時に加入者の健康状態について医師が診察する「診査」や、職業による加入制限がないなど手軽さが特徴。民営化後の生命保険契約に政府保証はないが、生命保険契約者保護制度で責任準備金の90%が保護される。