がん患者長期サポート特約 余命問わず生前給付 住友生命が業界初

住友生命保険は15日、がん患者が治療で回復が見込めなくなった場合に死亡保険金を生前に請求できる特約を29日に発売すると発表した。この「がん長期サポート特約」を付加することで、死亡保険金を生前に治療費や生活費に充てることができるようになる。

 医師から余命6カ月以内と判断された場合に死亡保険金を前払いで支払う特約は販売されていたが、余命を問わずに保険金を前払いする特約は生保業界で初めて。これにより、生前給付の対象者が2~3倍に増加すると見込んでいる。

 この特約では、がん患者が外科手術や放射線治療、薬物療法など一連の治療を受けたにもかかわらず、医師から治る見込みがないと診断された場合に死亡保険金を生前に支払う。請求の際には、治療の経緯や治癒の見込みなどを記した医師の診断書を同社に提出する必要がある。

 保険金の上限は3000万円。そこから3年分の保険料と利息分を差し引いた金額を契約者に支払う。毎月の保険料が1万5000円で予定利率が1・65%の契約者が3000万円の保険金を受け取るケースでは、約200万円が差し引かれることになる。

 支払い後も、保険金の残額がある場合は契約を継続することが可能。また、既存の契約者や、すでにがんで治る見込みがない状態となっている契約者も追加で加入できる。

 生保各社は、医師から「余命6カ月以内」と診断された場合に死亡保険金を前払いする「リビングニーズ特約」を販売している。しかし、医療技術の進展によって治る見込みがないまま数年にわたって生存するがん患者が増加。住友生命によると、同社の契約者でがんの転移が見つかった患者のうち、6カ月以内に死亡したのは36%だったのに対し、5年以上生存は21%に上った。

 がんが転移した場合は、入退院を繰り返すことになるため仕事を続けるのが困難なほか、治療には多額の費用がかかるため生存中に死亡保険金の受け取りを望むケースが絶えなかった。

 同社では、「リビングニーズで手に負えなかったケースを解決するために開発した。これにより、総合的ながんへの備えを提供できるようになる」(広報室)としている。