セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂の取締役で、セブン&アイ生活デザイン研究所社長を務める藤巻幸夫氏(47)が1月末にも退社することが30日、分かった。
藤巻氏は、百貨店の伊勢丹時代に“カリスマバイヤー”として知られ、経営破綻(はたん)した福助の社長に転じた後、2005年にイトーヨーカ堂の鈴木敏文会長(当時)にスカウトされた。複数の関係者によると、健康上の理由に加え、商品戦略などをめぐる会社側との方針の食い違いなどから思うような成果が上がっていないことも退任決断につながったという。退任後は独立するとみられる。
藤巻氏は、伊勢丹時代に若手デザイナーのブランドを集めた売り場「解放区」を創設するなどで、ファッションに強い伊勢丹のイメージ定着に大きく貢献した。03年には福助社長に転じ、再建に尽力。その後、衣料品の不振にあえいでいたヨーカ堂に招聘(しょうへい)された。
ヨーカ堂では衣料品のデザインのほか、売り場の改革を担当。06年に新ブランドを立ち上げるなど立て直しに取り組んだ。ただ、百貨店と低価格主体の総合スーパーでは勝手が違うこともあり、効果は限定的にとどまっている。また藤巻氏に業務が集中し、過度の負担から体調を崩したこともあったという。このため、今年8月にはヨーカ堂衣料事業部長の役職を退任していたが、完全にグループから身を引くことになった。