三井住友銀、大量採用に対応 新人育成学校を開校 模擬店舗で接客術

三井住友銀行は、リテール(個人向け)部門の新入社員を対象とした“新人育成学校”を5月7日に開校する。窓口での接客術を取得するための模擬店舗などを設けた専用施設を東京と大阪に新設。施設での研修と営業店でのオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT=実地訓練)を半年間行い、銀行員としての基礎をたたき込む。

 今春が1800人、来春も2400人という高水準の積極採用に対応し、人材育成のスピードアップと同時にこれまで新人教育を担ってきた営業店の負担軽減を図るのが狙い。模擬店舗を設けた大掛かりな専用施設による新人教育は、大手銀行でも初の試みという。

 開校するのは「SMBCリテールバンキングカレッジ(RBC)」。今春採用した個人向け営業専門の地域限定社員である「コンシューマーサービス(CS)職」の計560人が第1期生となる。専用施設は、東京都品川区と大阪市西区の2カ所にオフィスビルを借りて開設する。営業店と同様の窓口カウンターが並んだ模擬店舗のほか、映像機器を備えた視聴覚室などを設けた。

 ≪正・副担任も配置≫

 研修期間は10月末までの約半年間。施設での研修と営業店でのOJTを2週間ずつ交互に実施する「サイクル型トレーニングプログラム」が特徴。模擬店舗を使って接客を疑似体験しながら、接客マナーや預金・為替の事務、金融商品の基礎知識などを学び、営業店での実務を通じて、身につけていく。

 東京、大阪の計14クラスに編成し、2クラスごとに正、副担任の“先生”を配置。研修中だけでなく、卒業後も“教え子”たちに指導やアドバイスなどを行い、精神面でのサポートを続けていく予定だ。

 三井住友銀ではこれまで、リテール部門の新入社員は入行後、1カ月間の研修を経て営業店に配属し、その後の教育は現場に任せてきた。ただ、バブル崩壊後の不良債権処理の過程で採用を抑制した結果、現場で新人始動を行う20代後半から30代の社員が不足。ここにきての大量採用で現場の負担が増大しているという。

 また多様化する金融サービスに対応できる人材の育成が急務となっており、教育体制の刷新が必要と判断した。

 不良債権処理と公的資金の完済したメガバンクなどの他の大手銀行も積極採用に転じており、教育体制の拡充は共通の課題となっている。顧客保護を徹底する金融商品取引法の施行や保険商品の窓口販売の全面解禁などを受け、現場での顧客対応の重要性も増している。大量採用した新人の教育の成否が将来の収益力や競争力を大きく左右しかねないだけに、各行の知恵と工夫が試されそうだ。

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