中国進出支援ファンド、中堅・中小向け350億円 シティック・ジャパン
中国系投資会社のシティック・キャピタル・パートナーズ・ジャパン(東京都千代田区)は21日、中国での事業展開に意欲を持つ日本の中堅・中小企業に投資するファンドを来年1月をめどに設立することを明らかにした。ファンドの規模は約350億円。同社は中国最大級の政府系総合金融グループである中国国際信託投資公司(CITIC=シティック、北京)傘下の投資会社。環境や食品、子供用品など中国で成長が期待できる分野の企業を発掘し、中国での事業展開を後押しする。
投資対象は、単独での海外展開は困難だが、進出すれば大きな成長が期待できる未上場を中心とした中堅・中小企業。投資資金は主に日本の機関投資家から出資を募る。
投資先に対して、シティックが持つ中国国内のネットワークを活用し販路の確保などを支援することで、収益を高め、企業価値を向上させる。ファンドはその後の上場時などに株を売却し投資リターンを回収する。
日本企業の発掘や企業価値向上のノウハウを取り入れるため、政府の産業再生機構に在籍しカネボウや大京の再建を手掛けた中野宏信氏を2007年1月に代表に招聘(しょうへい)した。
同社は04年にも日本で170億円の投資ファンドを立ち上げている。国内の大手金融機関や商社などから出資を募り、ポッカ・コーポレーションのMBO(経営陣による自社買収)に資金を拠出したほか、住友金属工業の子会社だった製陶会社に投資。いずれも中国国内の販路拡大などで収益を向上させた実績がある。
未上場企業を中心に投資し企業価値を高める「プライベート・エクイティ(PE)・ファンド」は、日本でも徐々に活発化しているが、中国での事業展開の支援に特化したファンドは珍しい。
中野代表は「中国市場に的を絞った投資案件は今後も増える。四川省大地震は、中国経済全体の成長を大きく妨げるものではなく、日本の中堅・中小企業にとって引き続き、有望な市場だ」と話している。
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【用語解説】中国国際信託投資公司(CITIC=シティック)
中国最大級の政府系金融コングロマリットで、1979年に外資導入の受け入れ窓口として当時の最高実力者だったトウ小平氏の要請で発足した。傘下に投資銀行、資産運用会社、証券業や信託業を持つ。米国、オーストラリア、カナダなどに拠点を展開し、東京事務所は83年に開設された。ファンドを運営するシティック・キャピタル・パートナーズ・ジャパンは2004年5月の設立。