公的資金・米ファンド焦点 新生・あおぞら銀 統合交渉

新生銀行とあおぞら銀行が、2010年度をめどとする経営統合を検討していることが、26日までに明らかになった。実現すれば総資産は18兆円を超え、中央三井トラスト・ホールディングスを上回って国内6位に浮上する。ただ、両行の大株主である米系投資ファンド間の意向調整が難航しているほか、経営再建を確実にするには、昨年末に施行された改正金融機能強化法による公的資金の再注入が必要になるとみられ、統合合意に向けて大きな課題が残っている。

 統合は来年夏をめどに、共同持ち株会社を設立して両行が傘下に入る案が有力。将来の合併も視野にある。

 今後の焦点になるのは、新生銀の発行済み株式の33%を保有するJCフラワーズ、議決権ベースであおぞら銀の50%超を持つサーベラスという大株主の米系投資ファンドの意向だ。関係者によると、両ファンドの間では統合比率などをめぐって調整が難航しているもようで、3月に水面下で行われた交渉は不調に終わっていた。

 また、両行は過去に注入された公的資金計4000億円の返済にメドがつかず、09年3月期もそろって最終赤字の見通し。抜本的な経営再建には「さらなる資本増強が不可欠」(外資系コンサルタント)とされる。

 金融庁はかねて金融機関の経営統合を「先を読む経営」(佐藤隆文長官)と評価。じり貧状態に陥った両行の経営統合についても「金融庁が主導した」(金融関係者)との見方が強い。このため、統合を前提に両行が公的資金を申請すれば、金融庁が改正金融機能強化法の活用を認める可能性はある。

 新生銀の前身の旧日本長期信用銀行と、あおぞら銀の前身の旧日本債券信用銀行は、いずれも1998年に経営破綻(はたん)して一時国有化され、米投資ファンドなどが経営に参画。両行とも企業向け金融専門のビジネスモデルからの転換を図ったが、再建は難航している。

 新生銀は消費者金融会社を買収するなど個人向け金融に特化したものの、新たな収益源が軌道に乗らないまま、米金融危機の影響で経営環境が一気に悪化した。一方、あおぞら銀は過去、たびたび他行との経営統合が取りざたされてきた。07年秋には住友信託銀行と業務提携したが、「ほとんど効果はあがっていない」(関係者)。三井住友銀行などメガバンクも、あおぞら銀の資産や人材に関心を寄せていた。