経営再建中の日本航空の西松遥社長は21日、歴代社長ら6人から退職慰労金の一部返納を求めている問題で「理解いただいていると思っている」と述べ、内諾を得たことを明らかにした。経営再建の鍵を握る企業年金の支給額減に向けて20日に退職者らOBに、21日に現役社員にそれぞれ同意書を送付。事前の意向確認書ではOBの約64%が同意しているが、正式に受け入れられるかが焦点となる。
日航が退職慰労金の返納を要請したのは、新町敏行前社長、兼子勲元社長ら。2002年10月の旧日本エアシステムの経営統合から、退職慰労金制度が廃止された05年3月にかけて経営トップを務めた。
日航は約3000億円の企業年金債務を圧縮するため、年金受給者らに支給額の削減を求めている。経営陣がOBに対して実施した説明会では過去の経営陣の責任を問う声が強く「一定の責任を問う必要がある」(同社)と判断した。
一方、OBに3割の年金支給額削減案を提示する日航は、同意書に企業年金を改定した際の支給額も添付した。
年金見直しのために必要となる現役社員とOBの3分の2以上の同意を取り付けたい考えで、日航の事前調査では64%が同意の意向を示している。しかし、実際の削減額をみた際にOBらが事前の調査同様に同意するかどうかは不透明だ。
同社は20日、OBに正式な同意書を送付した。同意書の送付期限を来年1月12日に設定。西松社長は「年金を前提にした生活設計を狂わせた。誠意をもって対応する以外に道はない」と語り、OBへの説得を続ける考えだ。